鍼灸の基本概念
鍼灸は、体表に現れた反応点かつ治療点である経穴を鍼や熱で刺激することによって、効果を発揮する治療法です。皮膚上にある経穴への刺激は、局所のみならず、経脈や経絡を通じて伝わり、様々な効果を発揮するとされています。
経絡
鍼灸刺激により、気と血が伝達するルートを経絡といいます。経絡は幹線である経脈と、そこから分枝する絡脈からなります。主な経脈には、体を縦に走る十二経脈と奇経八脈があります。
奇経八脈には、督脈、任脈を含む8つの経脈が有ります。この督脈と任脈の2脈と十二経脈を合わせた十四経脈が、現在、臨床的に用いられる標準的な経脈となっています。
経穴は体表に現れた反応点かつ治療点のことで、ツボは日本で古くから用いられてきた経穴の俗称です。経穴は正穴、奇穴、阿是穴の3つに分類されています。
正穴は14本の経脈上にある経穴のことで、全身で361種がWHOで定められています。また、奇穴は十四経脈上にはないが独自の効果がある経穴、阿是穴はある病態で特異的に出現する経穴のことです。