麻莉華

漢方や食事療法で体質を改善する知識を紹介

抑肝散 3

抑肝散が処方された症例 1

女児が落ち着きがない

漢方的所見

望診:やや痩せ型、眼瞼痙攣、そわそわして落ち着きがない

問診:癇癪もち、寝つきが悪い

舌診:舌質は色調淡紅、舌尖紅、腫大なし、歯根なし、舌苔は白やや厚、舌下の静脈は怒張なし

脈診:やや弦

腹診:腹力やや軟、胸脇苦満軽度あり、心下振水音なし、左腹直筋の緊張あり、腹部動悸なし、小腹不仁なし、臍傍圧痛なし、小腹急結なし

西洋医学的診断

適応障害

漢方医学的考察

現在の生活環境です。弟が生まれたことによる赤ちゃん返りの時期に、幼稚園での環境変化によるストレスが加わっています。そのため感情がコントロールできなくなった状態と思われます。やや痩せ型で食が細くて軟便傾向ということで虚証と考えます。

癇癪もち、落ち着きのなさ、眼瞼痙攣といった症状は気逆の存在を示唆します。舌診では、舌尖の紅みは気逆を示唆し、やや厚い白苔は軽度の熱証あるいは水滞で診られる所見です。脈診では、やや弦は肝胆の失調を示します。腹診では、腹力やや軟は虚証傾向を示します。胸脇苦満と左腹直筋の緊張は肝の気滞をあらわし柴胡剤の適応となります。以上により、漢方診断としては抑肝散証ということになります。

経過

女児に抑肝散を1日2回成人常用量の3分の1で、母親に抑肝散加陳皮半夏1日2回常用量で処方したところ、服用開始1週間後には女児は癇癪を起すことが減ってきて眼瞼痙攣も消失しました。寝つきも徐々に良くなっていきました。2ヶ月後には女児の赤ちゃん返りも治まり、機嫌よく幼稚園に行くようになったので抑肝散を1日1回に減量し、さらに1ヶ月間服用した後に内服終了となりました。